いわゆるポップスが、1962年以降のビートルズやローリングストーンズらの登場でバンドメンバー自らによって作詞作曲されるようになると、それぞれの楽曲やアレンジ、演奏にプレイヤー自身の意向が大きく反映されることとなり、ロックの時代となった。1967年、反戦、ヒッピー文化、カウンターカルチャーの時代とあいまって、ロックは若者の心を大きく揺さぶったのである。そんなロックのビッグバンが起こった時代から、50年以上が経過した。これにより著作物の保護期間が終了し、この時代のライヴ音源やスタジオ音源はいわゆる「パブリックドメイン」となり、二次使用が可能になった。そこに目をつけた海外メーカーなどが、有名アーティストの音源を、ひっそりとリリースするようになったのが2015年頃。しかし、それらのほとんどが単に隙間リリースを狙って、現在も公式に発売されている音源をただ単に並び替えて編集しただけというもので、到底、熱きロックファンを満足させるものではなかった。
エターナル・グルーヴズは、世界各地の音楽事務所、出版社、音源テーパー&トレーダーとの、30年以上にわたる交流によって培った信頼で結ばれるネットワークによって、よりフレッシュで厳選されたマスター音源を探り当てることに全力を挙げている。 また、かつてテープの再生速度(ピッチ)がズレたまま流通していたものについてはすべて完全に修正するなど、膨大な時間をかけたデジタルリマスターによって、現在の技術では最高の音質によるCD化を実現している。さらに、音だけではなく、CDジャケット等に使用する写真についても、その音源が録音された時代やメンバーの服装等を反映するものを厳選し、少しでも正確な空気を伝えるよう細心の注意を払っている。 なぜそこまでこだわるのか。それは、エターナル・グルーヴズ自体が、この時代のロック・ミュージックや文化、それを生んだミュージシャンたちを愛する純粋なファンだからであり、その思いを次の世代へ伝え、共有したいという強い使命感を持っているからである。私たちは、自分自身が愛するミュージシャンやその楽曲と音源、さらにいえば同じくそれらを愛する世界中のロックファンたちを裏切りたくはない。驚きと感動を提供したいのだ。このこだわりこそが、このレーベルの存在意義だと考えている。
著作物の保護期間50年。これは現在ではほぼ日本のみの法律で、欧米諸国では70年に延長されている。日本でもTPPの発効に伴い、1968年以降の音源には70年の保護期間が適用されることになった。そのため、エターナル・グルーヴズでリリースできる音源は、新たな制約を受けることとなる。しかし、それでもエターナル・グルーヴズは、前述した理念の下、あくまでも法律に則り、価値ある音源のリリースをできる限り続けていく予定である。
Eternal Grooves