エターナルグルーヴズ〈ETERNAL GROOVES〉

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MILES DAVIS / THE HAGUE, HOLLAND April 9, 1960

THE HAGUE, HOLLAND April 9, 1960

MILES DAVIS

Howlin’

フォーマット:CD

規格番号:EGHO-005

発売日 :2021年11月24日

税込価格:2750円

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★マイルスとコルトレーンのラストツアー、ハーグ公演。
★1960年4月9日、マイルス・デイビス・クインテットの名演。
★ラウンド・アバウト・ミッドナイト、自在に表現!

 

マイルス&コルトレーン・クインテット、最後の欧州ツアーから、
チューリッヒの翌日、4月9日、オランダ、デン・ハーグの
避暑地スヘフェニンゲンでのライヴを地元放送局が収録。
脱退が決まっているからこそ、より自己主張するコルトレーンのテナーと、
マイルスとの緊張感ある演奏が迫ります。
特にの「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」から「ウォーキン」は必聴!
20時過ぎからのステージを終えると、一行はアムステルダムへ移動し、
深夜のライヴへ臨みます。

 

以下、監修の小川隆夫による近日刊行予定の『マイルス・デイビス完全データ本(仮:シンコーミュージック・エンタテイメント刊)』から氏のテキストを引用しましょう。

 

 マイルスが初めて自分のグループで行なったこのときのヨーロッパ・ツアーは各地で大反響を巻き起こした。
本作には最後のオランダ公演が収められている。
軽やかにトランペットを吹くマイルスと、重厚な響きを湛えたジョン・コルトレーン。ふたりの対照的なプレイが演奏を盛り上げる。
 とはいえ、マイルスとコルトレーンのコンビネーションはほとんど認められない。
退団が決まったコルトレーンもマイルスに負けず劣らずの優れたソロを披露する。
手を抜いたり、投げやりだったりする態度はいっさいなし。そこに、音楽に対する誠実さが示されている。

 

 モード曲の〈ソー・ホワット〉が面白い。マイルスのプレイにモーダルな響きが感じられないからだ。
メロディックではないものの、コード進行をなぞったフレーズの連続が軽やかな印象を与える。
それに比べると、コルトレーンのプレイは重量感いっぱいだ。
とくに、「シーツ・オブ・サウンド」と形容される独特のフレージングを中心にした後半が素晴らしい。

 

 お馴染みになった〈ラウンド・ミッドナイト〉では、テーマ・パートでマイルスがメロディを崩して自在な表現に徹する。
コルトレーンにソロがバトンタッチされる際に用いられる例のフレーズが聴かせどころだ。これで、彼も気持ちよくソロに入っていける。
 そのコルトレーンはツアーを終えた直後に独立する。マイルスの落ち込みは相当だった。
最後のフィラデルフィアではほとんど泣き崩れそうになって、退団をアナウンスしたという。よほど手放したくなかったのだろう。

 

*Miles Davis(tp) / John Coltrane(ts) / Wynton Kelly(pf) / Paul Chambers(b) / Jimmy Cobb(ds)

 

Getty Images写真使用ジャケット。
小川隆夫による監修、ライナーノーツ。
Eternal Groovesの”Howlin'”シリーズから登場!

ライナーノーツはこちら

収録曲

total 45’59”
So What 17:39
Round About Midnight 5:48
On Green Dolphin Street 12:32
Walkin’ 9:09
The Theme 0:48

Kurhaus, Scheveningen, Holland.  April 9, 1960 
*Miles Davis(tp) / John Coltrane(ts) / Wynton Kelly(pf) / Paul Chambers(b) / Jimmy Cobb(ds)