エターナルグルーヴズ〈ETERNAL GROOVES〉

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MILES DAVIS / AMSTERDAM, HOLLAND April 10, 1960

AMSTERDAM, HOLLAND April 10, 1960

MILES DAVIS

Howlin’

フォーマット:CD

規格番号:EGHO-006

発売日 :2021年11月24日

税込価格:2750円

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★マイルスとコルトレーンのラストツアー、アムステルダム公演。
★1960年4月10日・午前0時、マイルス・デイビス・クインテットの名演。
★伝説のミッドナイト・コンサート!

 

4月9日のスヘフェニンゲンの夜のステージ後に、アムステルダムへ向かったマイルスたち。
会場はオランダ音楽界の殿堂とも言える、アムステルダムの会場コンセルトヘボウ。
この音響面でも優れた会場で、この夜2度目のステージが深夜24時から行われる。
これが伝説のミッドナイト・コンサートだ。
さすがに移動もあり疲れたのか、逆にリキみも取れたリラックスした演奏は、
マイルス&コルトレーン・クインテットの、また違った魅力を伝えるステージとなった。
ラストツアー、最後に残された歴史的ライヴ。

 

以下、監修の小川隆夫による近日刊行予定の『マイルス・デイビス完全データ本(仮:シンコーミュージック・エンタテイメント刊)』から氏のテキストを引用しましょう。

 

 4月9日は8時15分からオランダのスヘフェニンゲン(ハーグ)でコンサートがあり、それを終えたマイルス一行はアムステルダムに向かう。
12時から別のコンサートが組まれていたからだ。高速道路を使えば約1時間の距離である。
 3週間のツアーでオフは1日だけ。強行軍のうえ、終盤だから疲労も蓄積していただろう。
そして、ツアーは翌日というか、明けて10日夜、8時からのシュトゥットガルト公演で千秋楽を迎える。
本作が現時点でマイルス・バンドにおけるジョン・コルトレーン最後のパフォーマンスを記録した作品になる。

 

 注目したいのは、疲れていたせいかもしれないが、コルトレーンのプレイがほかの日に比べるとおとなしいことだ。
ことに[ブートレグ・シリーズ]で聴けるツアー初期のパフォーマンスとはひとが違ったような印象を受ける。
 そちらの過激なブローも魅力だが、この夜の穏やかな演奏も捨てがたい。
〈フラン・ダンス〉に認められるロマンティックかつ優しい響きは、曲のムードにピッタリで、続くウィントン・ケリーのスウィンギーなタッチをさらに引き立てるものになった。

 

 マイルスもそうだが、コルトレーンとふたりで全力投球するライヴは、聴いて疲れるひともいるだろう。
そういう方には、この夜のパフォーマンスがちょうどいい。
マイルスのリリカルなプレイもさることながら、本来なら持てるパワーを全開させる〈ソー・ホワット〉でのコルトレーンが、落ち着いたいい味を出している。
 移動を挟んで1日2回のコンサート。
怪我の功名かもしれないが、こういう演奏を最後の最後に残していたことに、なんともいえない心地のいい気分を味わっている。

 

*Miles Davis(tp) / John Coltrane(ts) / Wynton Kelly(pf) / Paul Chambers(b) / Jimmy Cobb(ds)

 

Getty Images写真使用ジャケット。
小川隆夫による監修、ライナーノーツ。
Eternal Groovesの”Howlin'”シリーズから登場!

ライナーノーツはこちら

収録曲

total 44’31”
Norman Granz announcement 0:44
If I Were a Bell 12:04
Fran Dance 7:24
So What 10:21
All Blues 12:58
The Theme 0:58

Concertgebouw, Amsterdam, The Netherlands. April 10, 1960
*Miles Davis(tp) / John Coltrane(ts) / Wynton Kelly(pf) / Paul Chambers(b) / Jimmy Cobb(ds)